中国でカモから感染するインフル予防接種は有効か?

2019年10月30日

インフルエンザウイルスの発生源はカモであるとされています。
このウイルスはトリからトリに感染しますが、原則としてヒトには感染しません。
またカモに対しては無害で、病原性がありません。
カモは渡り鳥ですから、世界中を飛び回ってウイルスを拡散させます。
汚染された池でアヒルが飼われていると、アヒルにもウイルスが感染します。

ブタはトリのウイルスにもヒトのウイルスにも感染するという性質があります。
感染したアヒルとブタが一緒に飼われていると、ブタもインフルエンザに感染します。
ブタの体内にトリのウイルスとヒトのウイルスが入ると、2種類の遺伝子が交雑して、ヒトに感染する新しいウイルスが誕生する場合があります。
こうして生まれるのが新型インフルエンザです。

中国南部の一般的な農村では、アヒルとブタを一緒に飼っていることが多いため、新型インフルエンザが生まれる条件を満たしています。
実際、過去に発生した多くのインフルエンザは、この地域が発生源になっています。
これからも、新しいウイルスが生まれる可能性は高いでしょう。
中国ではこの地域のヒトやブタについて、常にインフルエンザの監視を行なっています。

それなら中国へ行くときには、インフルエンザの予防接種をしておくべきでしょうか。
これはあまり効果が期待できないと言えます。
予防接種は、すでに存在が知られたウイルスに対して免疫力をつけるものです。
未知の新型インフルエンザに対しては、ほとんど役に立たないでしょう。
新型インフルエンザの大流行が恐れられる理由は、誰も免疫を持っていないからです。
もちろん例年流行する季節性インフルエンザには、予防接種が効力を発揮するので、まったく無駄ということはありません。